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介護保険の住宅改修とは?20万円の使い方・対象の6種類・申請の流れと必要書類

介護保険の住宅改修 20万円・対象工事・申請の流れ 住まいの補助金
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📅 最終更新日:2026年10月4日|✍ かたづけガイド編集部が作成・確認
✔ この記事の結論
介護保険の住宅改修は、手すりや段差解消など6種類の工事に使える制度です。
限度額は1人20万円(要介護度にかかわらず同じ)で、自己負担は1〜3割。1割負担なら最大18万円が支給されます。
工事の前に市区町村へ申請するのが原則で、ケアマネジャー等が作る理由書が必要です。
見積もりは複数の事業者から取ることが、厚生労働省の資料でも勧められています。
🤔

親が要介護の認定を受けた。
家に手すりを付けたいけれど、介護保険でいくら出るのか、何から始めればいいのか分からない。

この記事では、介護保険の住宅改修を、厚生労働省の資料と通知に沿って整理します。

対象の工事、金額、申請の流れ、必要な書類、注意点の順に説明します。

細かい運用は市区町村ごとに違うことがあります。

申請の前に、お住まいの市区町村の介護保険の窓口かケアマネジャーに確認してください。

介護保険の住宅改修とは

介護保険の住宅改修は、要支援・要介護の人のための制度です。

自宅で暮らし続けられるよう、手すりの取付けや段差の解消などの費用を支給します。

厚生労働省は、在宅介護を重視し、高齢者の自立を支援する目的の制度だと説明しています。

福祉用具を使うために必要になる、比較的小規模な工事が対象です。

項目 内容
対象者 要支援・要介護の認定を受けた人
限度額 1人20万円(要支援・要介護の区分にかかわらず定額)
支給の割合 原則9割(所得により8割・7割)
申請先 市区町村(介護保険の窓口)
申請のタイミング 工事の前と工事の後の2回
出典:厚生労働省「介護保険における住宅改修」(確認日:2026年10月4日)

対象になる工事は6種類

住宅改修の対象になる工事は、厚生労働省の告示で6種類に決められています。

介護保険の住宅改修の対象になる6種類の工事。手すりの取付け、段差の解消、床・通路面の材料の変更、引き戸等への扉の取替え、洋式便器等への便器の取替え、これらに付帯する工事
図1:対象になる工事の6種類。厚生労働省の資料をもとに作成
種類 内容
① 手すりの取付け 転倒の予防や移動の補助のための手すり
② 段差の解消 家の中の段差をなくす工事
③ 床・通路面の材料の変更 滑りの防止や、移動をしやすくするための床材などの変更
④ 引き戸等への扉の取替え 開け閉めしやすい扉への取替え
⑤ 洋式便器等への便器の取替え 和式便器を洋式便器などに替える工事
⑥ ①〜⑤に付帯して必要な工事 上の工事をするために必要になる工事

どの工事が対象になるかは、本人の体の状態や、家の中での動き方によって変わります。

事前申請の段階で、市区町村が内容を確認します。

対象にならない工事

厚生労働省の通知では、次のような場合の扱いが示されています。

✓ 住宅の新築は、住宅改修として認められず対象外
✓ 新たに居室を設けるような増築は対象外
✓ ただし、廊下の拡幅にあわせた手すりの取付けなどは、その部分だけ対象になり得る
✓ 設計・積算だけで、工事をしない場合の費用は対象外

対象の工事とそれ以外の工事を一緒にした場合は、対象部分だけを抜き出して計算します。

そのため、見積書や工事費内訳書では、対象部分とそれ以外を分けてもらう必要があります。

出典:厚生労働省 通知(老企第42号)(確認日:2026年10月4日)

いくら支給される?|限度額20万円と自己負担

限度額は1人20万円で、要支援1でも要介護5でも同じです。

そのうち、介護保険から支給されるのは原則9割です。

負担割合 支給される上限 20万円の工事をした場合の自己負担
1割負担 18万円 2万円
2割負担 16万円 4万円
3割負担 14万円 6万円

20万円を超えた分は、全額が自己負担になります。

たとえば1割負担で工事費が30万円なら、支給は18万円、自己負担は12万円です。

また、20万円の範囲内なら、何回かに分けて申請することもできます。

最初に手すりだけを付け、あとで段差を解消する、といった使い方ができます。

20万円がもう一度使える場合

要介護度の6段階と、3段階以上上がった場合に再び20万円まで使えることを示す図。第1段階は要支援1、第2段階は要支援2と要介護1、第3段階は要介護2、第4段階は要介護3、第5段階は要介護4、第6段階は要介護5
図2:要介護度の段階と、20万円が再び使える場合。厚生労働省の資料をもとに作成

要介護度が重くなって3段階以上上がったときは、再び20万円まで使えます(1回限り)。

段階は、要支援1から要介護5までを6つに分けて数えます。

段階 要介護度
第1段階 要支援1
第2段階 要支援2・要介護1
第3段階 要介護2
第4段階 要介護3
第5段階 要介護4
第6段階 要介護5

たとえば、要支援1で住宅改修をした人が要介護3になった場合は、3段階上がったことになります。

また、転居した場合も、新しい住宅で再び20万円まで使えます。

1つの家に要介護の人が2人いる場合は、限度額は1人ずつ管理されます。

ただし、共用の部屋の工事は、どちらか一方しか申請できません(厚生労働省の通知)。

申請の流れ|工事の前と後の2回申請する

介護保険の住宅改修の手続きの流れ。ケアマネ等に相談、業者選び・見積もり、事前申請、工事・支払い、事後申請と支給の5段階と、それぞれの提出書類
図3:手続きの流れと書類。厚生労働省の資料をもとに作成
住宅改修の流れ

1ケアマネジャー等に相談し、住宅改修が必要な理由書の作成を頼む
2施工する事業者を選び、見積もりを取る(複数の事業者からが望ましい)
3工事の前に、市区町村へ事前申請の書類を出す
4市区町村の確認結果を受けてから工事をする。完成したら事業者に支払う
5工事の後に、領収書などを市区町村に出して正式に支給を申請する

事前申請は、市区町村が「保険給付として適当な工事か」を工事の前に確かめるための手続きです。

この確認を受けずに工事をすると、支給を受けられないことがあります。

やむを得ない事情があるときは、工事の後に申請することも認められています。

たとえば、入院中の人が退院後に自宅で暮らすため、あらかじめ着工が必要な場合です。

その場合も、必ず事前に市区町村に相談しましょう。

必要な書類

厚生労働省の資料では、提出する書類が次のように示されています。

様式は市区町村ごとに用意されています。

タイミング 書類
工事の前(事前申請) ① 支給申請書
② 工事費見積書
③ 住宅改修が必要な理由書
④ 完成予定の状態が分かるもの(日付入りの写真や間取り図など)
工事の後(事後申請) ⑤ 領収書
⑥ 工事費内訳書
⑦ 改修前と改修後の写真(原則として撮影日が分かるもの)
⑧ 住宅の所有者の承諾書(所有者が本人でない場合)

工事費内訳書には、工事をした場所・内容・規模を書き、材料費・施工費・諸経費などを分けて記載します。

写真は、トイレ・浴室・廊下など、場所ごとに改修前と改修後を撮ります。

💡 写真:改修前の写真は、工事が始まると撮れません。事業者に任せきりにせず、撮影日の分かる写真が残っているかを確認しておきましょう。

理由書は誰が書く?

理由書は、本人の体の状態や家の中での動き方をふまえて、必要な工事とその理由を書く書類です。

原則として、ケアプランを作っているケアマネジャー等が作成します。

厚生労働省の資料では、作成者として次の人が挙げられています。

✓ 介護支援専門員(ケアマネジャー)
✓ 地域包括支援センターの担当職員
✓ 作業療法士
✓ 福祉住環境コーディネーター検定試験2級以上、その他これに準ずる資格等を持つ人

ケアマネジャー等が理由書を作るのは、ケアマネジメントの業務の一部です。

そのため、利用者から別に費用を取ることはできないと、厚生労働省の通知に書かれています。

支払い方法|償還払いと受領委任払い

支払いの方法には、市区町村によって2つの方式があります。

方式 支払い方
償還払い 工事費をいったん全額払い、あとで市区町村から支給分を受け取る
受領委任払い 自己負担分だけを事業者に払い、支給分は事業者が市区町村に請求する

横浜市では、受領委任払いの取扱事業者に工事を頼むと、利用者負担分の支払いだけで工事ができると案内しています。

墨田区では、区に事前に登録した改修事業者に限って受領委任払いができます。

受領委任払いを使えるかどうかや、登録事業者の条件は市区町村ごとに違います。

まとまったお金を先に用意するのが難しい場合は、窓口に確認しましょう。

施工業者の選び方|複数の見積もりを比べる

厚生労働省の資料では、事前申請の書類として「複数事業所からの見積もり提出を促進」と書かれています。

通知でも、利用者が複数の事業者から見積もりを取るよう説明するとされています。

住宅改修は、一度工事をすると簡単には直せません。

金額だけでなく、本人の動き方に合った提案をしてくれるかも比べましょう。

✓ 介護保険の住宅改修の申請に慣れているか
✓ 見積書で、対象の工事とそれ以外の工事を分けてくれるか
✓ 改修前の写真を撮り、書類づくりに協力してくれるか
✓ 受領委任払いを使う場合、市区町村の登録事業者か

ケアマネジャー等が、自分では工事をしないのに工事を請け負うことは、通知で禁止されています。

事業者から仲介料や紹介料を受け取ることも、同じく禁止されています。

業者は、本人や家族が納得して選ぶことが大切です。

地元で業者を探すのが難しい場合は、条件に合うリフォーム会社を紹介してくれる一括見積もりサービスを使う方法もあります。

その場合も、介護保険の住宅改修として申請したいことを最初に伝え、事前申請の前に契約・着工しないよう注意してください。

申請前のチェックリスト

事前申請の前に、次の点を確認しておくと手続きがスムーズです。

✓ 要支援・要介護の認定を受けている(認定の申請中の場合は窓口に確認)
✓ ケアマネジャー等に、理由書の作成を頼んだ
✓ 2社以上の事業者から見積もりを取った
✓ 見積書で、対象の工事とそれ以外の工事が分かれている
✓ 改修前の写真(撮影日入り)を撮った
✓ 家の所有者が本人でない場合、所有者の承諾をもらった
✓ これまでに使った住宅改修の金額(20万円の残り)を確認した
✓ 支払い方法(償還払いか受領委任払いか)を窓口で確認した

よくある失敗

住宅改修で支給を受けられなかったり、手続きがやり直しになったりする原因には、次のようなものがあります。

失敗 防ぎ方
事前申請の前に工事を始めてしまった 市区町村の確認結果を受けてから着工する
改修前の写真がない 見積もりの段階で、撮影日の分かる写真を撮っておく
対象外の工事と金額が混ざっている 工事費内訳書で対象部分を分けてもらう
所有者の承諾書がない 賃貸や家族名義の家は、着工前に承諾をもらう
20万円を一度に使い切ってしまった 今後必要になりそうな工事も考えて、使い方を相談する

住宅改修は、本人の体の状態の変化にあわせて段階的に行うこともあります。

今すぐ必要な工事と、あとで必要になりそうな工事を、ケアマネジャー等と一緒に整理しておきましょう。

ほかの補助制度との関係

国のみらいエコ住宅2026事業でも、手すりの設置や段差解消などのバリアフリー改修が補助の対象になっています。

ただし、断熱改修などの必須の工事とあわせて行うことが条件です。

介護保険の住宅改修と同じ工事で両方を使えるかは、市区町村と事業者に確認してください。

国の補助金の全体像はリフォーム補助金2026まとめで整理しています。

市区町村によっては、介護保険とは別に、高齢者向けの住宅改修の助成を行っていることもあります。

介護保険の窓口で、あわせて使える制度がないか聞いてみましょう。

介護保険の住宅改修についてよくある質問

Q. 介護保険の住宅改修はいくらまで使えますか?

支給限度基準額は1人20万円です。

要支援・要介護の区分にかかわらず同じ額です。

給付は原則9割(上限18万円)で、所得に応じて8割(上限16万円)か7割(上限14万円)になります。

Q. 工事が終わってから申請しても使えますか?

原則として使えません。

工事の前に市区町村へ申請し、内容の確認を受けてから着工します。

やむを得ない事情があるときは、工事後の申請が認められることがあります。

たとえば、入院中の人が退院後に自宅へ戻るため、あらかじめ着工が必要な場合です。

Q. 理由書は誰に頼めばいいですか?費用はかかりますか?

原則として、ケアプランを作っているケアマネジャー等に頼みます。

厚生労働省の資料では、地域包括支援センターの職員や作業療法士も作成者として挙げられています。

福祉住環境コーディネーター2級以上などの資格者も含まれます。

ケアマネジャー等が作る場合、利用者から費用を取ることはできません。

Q. 賃貸住宅でも使えますか?

使えます。

ただし、住宅の所有者が本人でない場合は、所有者の承諾書が必要です。

賃貸住宅なら大家さんの承諾を、家族名義の家なら名義人の承諾を得ておきましょう。

Q. 家族が自分で手すりを付けた場合も対象になりますか?

対象になり得ます。

本人や家族が材料を買って工事した場合は、材料の購入費が支給の対象です。

領収書は材料を売った店が発行したもので、使った材料の内訳を家族が書類にまとめます。

必要な書類は通常と同じです。

Q. 20万円を使い切ったら、もう使えませんか?

転居した場合と、要介護度が3段階以上上がった場合(1回限り)は、再び20万円まで使えます。

また、20万円の範囲内なら、1回で使い切らずに複数回に分けて申請できます。

まとめ|まずケアマネジャーに相談し、工事の前に申請を

介護保険の住宅改修は、手すりや段差解消など6種類の工事に使える制度です。

限度額は1人20万円で、自己負担は1〜3割です。

工事の前に市区町村へ申請し、確認を受けてから着工するのが原則です。

理由書はケアマネジャー等が作成し、費用はかかりません。

最初の一歩は、ケアマネジャーか地域包括支援センターに相談することです。

そのうえで、複数の事業者から見積もりを取って比べましょう。

📚 この記事の参考・出典

本記事は、公的機関の情報や一般的な費用相場をもとに、かたづけガイド編集部が作成・確認しています。制度や費用相場は時期・地域・事業者により異なるため、最新かつ正確な情報は各機関や各自治体でご確認ください。

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